一度鬱病にかかると、完治させるには多大な努力が必要となり、治療も長期化してしまいます。心療内科や精神科にかかっていると、抗うつ剤や安定剤などがどんどん増えていって、自分の病状が副作用で苦しいのか、鬱病で苦しんでいるのか分からなくなってきます。そんな時、薬以外の治療法もないかなぁ? と思いますよね。
そこで、真っ先に思い浮かぶのがサプリメントです。サプリメントであれば、副作用の心配が無く、一定の効果は期待できます。でも、鬱病に効くサプリメントって、あまり聞いたことがないですよね。
今回は、私が鬱病を克服した際に服用していたサプリメントなど、鬱病に効くサプリメントはあるのか? と本当に鬱病の治療に効果があるのか? について解説したいと思います。
鬱病に効くサプリメントはあるの?
サプリメントの中には、「鬱病の治療に一定の効果が期待できる」とされる物がいくつかあります。DHAやEPAなど、脳に良いとされるサプリメントなどがその代表例ですね。
他にも、ストレス耐性がアップするとされる乳酸菌サプリメントや、脳の血流をあげる効果が期待できるもの、脳の神経伝達物質である、セロトニンやドーパミンの生成を助けてくれるタンパク質など、鬱病の治療に一定の効果が期待できるサプリメントは多くあります。
サプリメントは鬱病の治療に本当に効果があるの?
鬱病のサプリメントは、治療薬ではないため、サプリメントだけを服用しても治癒することはありません。
「じゃあ、飲んでも意味が無いの?」と思われるかもしれませんが、私は鬱病の治療にサプリメントは効果的だと思っています。なぜなら、サプリメントは「鬱病の原因になっている体調不良そのもの」を栄養で改善していくからです。
病院で処方される抗うつ薬や安定剤の効能は、鬱病の原因とされるセロトニンやドーパミン不足を、無理矢理ひねり出したり、意図的に量が多くなるようにコントロールすることです。こんな事をしても鬱病が治らないのはあなたも実感していますよね。
鬱病の原因は、神経伝達物質の低下だけが原因ではなく、体全体の不調が脳や心を不調にさせているのです。ですので、体全体の不調を整えるためには、食事からの栄養補給以外にもサプリメントでの栄養補給が効果的です。
でも、サプリメントの効果って実感しにくいですよね。なぜ効果が感じられなくなるのか、その原因をまとめてみました。
飲んでいても効果が実感できないのはなぜ?
もしかしたら、鬱病の治療に効果があるとされるサプリメントを、あなたは既に服用しているかもしれません。
しかし、サプリメントを飲み始めても、なかなか効果が実感できないのも事実です。その原因は次の5つに当てはまります。
- サプリメントの効果よりも薬の副作用が体調を悪化させている
- サプリメントの服用を継続できていない
- マイナス思考により、自暴自棄になっている
- 生活習慣が悪い
- サプリメントの効果的な使用をしていない
これらに当てはまっていると、サプリメントを服用してもほとんど効果を感じることは出来ません。その理由を一つ一つ解説していきます。
1,サプリメントの効果よりも薬の副作用が体調を悪化させている場合
精神薬には、あなたが思っている以上に副作用があります。この副作用は飲んでいる薬の量に比例するので、薬を毎食後に服用していたり、一回の服薬量が3錠以上だと、副作用による不調を大きく感じることがあります。
たとえば、薬の副作用による頭痛や吐き気などは、薬を減らすか断薬しない限り取り去ることは出来ません。この不調がストレスとなり、更に鬱病が悪化してしまう場合があります。このような負のスパイラルの時にサプリメントを摂取しても、効果を実感することは出来ません。
また、副作用の中には、消化吸収能力がおちるものがあります。腸の働きが落ちていると、食欲がなくなったり、便秘になったりしてしまいます。この状態ではせっかくサプリメントを摂取しても、ほとんど吸収できずに排出されてしまいます。サプリメントは栄養補助食品ですので、摂取しても栄養が消化吸収されていなければ全く意味がありません。
2,サプリメントの服用を継続できない
サプリメントの服用を継続できない原因は、主に金銭的な原因が多いのですが、もう一つ、「効果が実感できないからやめてしまう」というものがあります。
サプリメントは治療薬ではなく、体質改善を目的に服用する物ですから、短期の効果ではなく長期的に服用することで徐々に効果を発揮してくるものです。人間の細胞は、6ヶ月で入れ替わると言われています。つまり、今のあなたは6ヶ月前に摂取した食べ物で作られているのです。ですので、サプリメントは最低でも6ヶ月以上は続けないと意味がありません。
金銭的な原因でやめてしまう場合
鬱病になると、働けなくなって収入が減ってしまうことがあります。収入が減ってしまうと、貯蓄を切り崩して生活したり、日々の生活費を切り詰めて生活したりするので、極力無駄な出費を抑えたくなりますよね。
しかし、鬱病の治療をしたいなら「体に投資する」という考え方が必要です。鬱病の治療は、風邪やインフルエンザのように、薬を飲んで寝ていれば治るという病気ではありません。少なからず、治療には努力が必要なのが真実です。
鬱病の治療に必要な食事や治療に必要な金額を投資と考えられず、「無駄な経費」と考えてしまうと、治療にむけて努力することが一切出来なくなってしまいます。
多少生活が苦しくなっても、早く鬱病が治れば、それだけ早く仕事に復帰することが出来るので、早期に収入を得られればそれだけ早く家計を立て直すことが出来ます。
一番やってはいけないのが、貯蓄を切り崩して生活費を切り詰めてダラダラと治療することです。気付いたときには、今後の生活費も底をついてしまい、仕事に復帰するための資金や、治療する資金もなくなってしまいます。こうなってしまうと、日々の生活すら首が回らなくなり、にっちもさっちもいかなくなってしまいます。
こうなる前に、覚悟を決めて治療に励むことをオススメしています。
3,マイナス思考により、自暴自棄になっている
鬱病になると、「自分には存在価値がない」とか「生きているだけで迷惑をかけてしまう」というようなマイナス思考に陥りがちです。
このマイナス思考が自分の脳みそにマインドコントロールのように「死」という意識と行為をすり込んでいくので、「何をしても無駄」とか「どうせ治らない」というような潜在意識を常に持ってしまうようになります。この潜在意識があると自暴自棄に陥りやすく、治す行動をなかなか起こすことが出来ません。
そして、自暴自棄に陥ってしまうと、お酒やタバコ、ギャンブルなどで現実逃避を始めてしまいます。お酒やタバコなどは、せっかく体内に取り入れた栄養素を破壊してしまう作用があるため、摂取したサプリメントの栄養素は無駄になってしまいます。
この状態では、治そうと本気になっていないため、サプリメントを摂取しても効果を実感しにくいです。まずは、「鬱病は必ず治るもの」という意識に変え、希望を持って治療に取り組みましょう。今の現状を打破するには、我慢も必要です。お酒やタバコなどの不摂生は意識的に改善していく努力をしましょう。
4,生活習慣が悪い
鬱病になると、買い物や食事の準備が出来なくなり、すぐに食べられるパンや米、麺類などの炭水化物に偏りがちになります。
当然ですが、そのような食生活を続けていて健康になれるはずがありません。食生活が悪い状態でサプリメントを服用しても、サプリメントの栄養がうまく消化吸収されないため、サプリメントの栄養はほとんど体外に排出されてしまいます。
また、「朝が起きられないからずっと寝ている」とか「家事や雑用は全て家族に任せている」という状態も、寝ているだけのダラダラした生活習慣になり、慢性的に生活習慣が悪くなる原因となります。
鬱病の治療は、辛くても自分の出来る範囲で行動を起こし、運動や家事などで少しづづ体を動かしていかなければ治ることはありません。
また、今まで料理をしたことがないとしても、自分の体や健康のことは自分で管理できるよう、少しづづでも料理を始めるべきです。鬱病をきっかけに、もっと健康について勉強し、自分の力で治せるように努力を始めましょう。
5,サプリメントの効果的な使用をしていない
サプリメントの摂取は、「ベースサプリ」と呼ばれる、マルチビタミンとミネラルを飲んでいるという前提の元で作られています。つまり、特定のサプリメントだけを単品服用しても、ほとんど意味がありません。
サプリメントの含有成分は一般的に関連する栄養素しか配合されていません。たとえば、脳に良いとされるDHAとEPAで一つの商品、腸の活動にいいと言われる乳酸菌なら特定の乳酸菌が配合されて一つの商品、目の働きに効くと言われているブルーベリーエキスとルテインが配合されて一つの商品というように、目的に応じて栄養素が配合されています。
これらの栄養素という物は、単品で効果を発揮するわけではありません。例えば、カルシウムならビタミンDを一緒に摂取しないと吸収率が著しく落ちてしまうという研究結果が出ています。
鬱病に効くサプリメントも同様に、ベースサプリを基本にその他の基本的な栄養素を十分に摂取した上で追加することにより効果が期待出来るのです。
まとめ
今回は、鬱病の治療にサプリメントを試していても効果が実感できない理由を書いてみました。みなさん、思い当たる節はありましたか?
正しいやり方を行えば、鬱病の治療にサプリメントは効果的です。実際に私も鬱病の治療の際にサプリメントを欠かさず摂取していました。今でもその習慣は続けています。
「サプリメントは効果が無い」と嘆く前に、間違っているやり方を認識し、正しいやり方で治療に励んでいきましょう!
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